50代男性経営者の学びと変化

セミナー参加者の事例
経営者、管理職対象の6回シリーズのコーチングセミナーは、約2カ月半にわたって開催されました。

最終回には、これまでの実践結果を発表をしていただきました。

その内容が素晴らしかったので、参加者の許可を得て書かせていただきます。

50代の経営者Aさん。

これまで、思うように動かない若い社員に苛立ち、怒鳴ることが多かったそうです。2,3回目のセミナーの時だったでしょうか、こんな風に話してくれました。

先日、仕事のミスで、若い社員を思い切り怒鳴ってしまったが、後で、あんなに怒鳴って悪かったと謝った。今までこんなことは、したことがなかった。生まれて初めて社員に頭を下げて謝った。

すると、その社員はみるみる表情が変わり、明るくなった。私が怖かったのだと思う。その後、その社員は自分から動くようになり、社内の雰囲気も変わった。

そして、もう一つ意外ないいことがあった。謝ることで、自分が気持ちがいいことを発見した。

さっぱりとした実にいい笑顔で、Aさんは話されました。

これを聞いて、私はうるうるしてしまいました。

生まれて初めて、50代の男性経営者が謝る。それも若い社員に対して。

ものすごく勇気の要ることだったと思います。

カッコいいと思いました。

その彼から、6回を振り返っての成果や気付きを書いていただいたシートを提出してもらいました。

全員がすごーい!と感動したもので、是非ブログに書いてほしいとの声がありましたので、ご本人の許可のもと、転記させていただきます。

1.セミナーを受講しての変化

社内のコミュニケーションが闊達になり、報告・連絡・相談等が適時上がってくるようになった.また社員が能動的に行動するようになった。後は私自身の心のモチベーションのアップダウンが未だ激しいことが問題点。

2.アクションプランの行動(毎回の宿題)をやってどうだったか?

・ 良かった点 ペーシングを主とした、その基本的なアクションに対して手応えが感じられた。継続性も感じられる。後は私が「ペーシング・ペーシング」と日々忘れぬこと。

・ 改善点

どうにも今ひとつ出来の足らぬ者をほめてやれないでいる。やけくそでほめてみようか?

・ 自分自身に付いて気づいたこと

全ては私自身の心のもち方に帰着する。仕事の閉塞感や逼迫した状況等、また社員の不始末、不出来に過敏にならず、時々のアクションとは別に自身の心中は常に平静であるように。

3.一回目に立てた目標の何%達成したか?

未だ30%か?ただし、これは私の心の起伏こそが問題で、それが平静であり得れば80%。

4.学びを今後どう生かすか?

1.朝一番の「おはよう」の挨拶は必ず一人一人に、暖かい視線で声を掛ける。

2.社員の話をうなづきながら十分聞く。決して口を挟まない。

3.社員と昼食を共にし、また飲みもして、プライベート面の会話をする時間を持つ。

4.大声でひどく叱責した時は、後で「さっきはひどい言い方をしてしまった」と頭を深く下げて心から謝る。

5.思案、悩み事は自分だけで考え込まず人に話してみる。

6.これは未だ実行していませんが、「叱って駄目ならほめてみろ」

7.自身を小さくする。

7番目の「自身を小さくする」の真意は、いつも自分が絶対で一番正しい者としてやってきたが、そのあり方を変えてみる、人の意見にも耳を傾ける、とのことでした。

Aさんは、見事に自分で自分を変えていかれました。行動したからこその成果です。

答えを求めていたAさんが、たまたま出合ったのがコーチングだった、ということなのだと思います。それでも、人が変化していくその場にいられたことが、本当に嬉しかったです。